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【BOOK】苦しみもがき“どん詰まり”になる男女…不倫が救いになることも? 金原ひとみさん「アタラクシア」 (1/3ページ)

★金原ひとみさん『アタラクシア』(集英社、1600円+税)

 「女は息するように浮気する…」。登場人物のセリフだ。ままならない結婚生活からの救いを求めて不倫を重ねる男女。そこには、背徳感も、ためらいもない。芥川賞から15年。衝撃作を送り出し続けてきた著者が描くのは「楽」の世界か、「苦」なのか…。(文・梓勇生)

 --タイトルの『アタラクシア』とは

 「哲学用語で『心に波風が立たない平穏な状況』という意味です。仏ソルボンヌ大学で哲学を専攻した(担当編集者でもある)夫のアイデアでしたが、私自身、すごく納得できる言葉。苦しい状況に置かれたとき、いろんなことに救われながら生きてきましたから。あとひとつ支えがあれば楽なのに…私の場合、それが、小説であり創作であったわけですが」

 --本作の登場人物は、それぞれ結婚生活に問題を抱え、「不倫」に救いを求めてゆく

 「今の社会を見ていても、自分の居場所がなくなっていく、自分が何者かがわからない、空白が埋まらない、といった話をよく聞きます。そんなときに不倫が『救い』になることもあるんだろうな、と思う。(本作の男女は)苦しみの中でもがき、新たな愛を求めて、試行錯誤を繰り返しながら、どん詰まりになってしまう…」

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