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【ここまで進んだ最新治療】血友病の画期的新薬「ヘムライブラ」とは? 自宅での自己注射が可能 (1/2ページ)

 出血が止まりにくくなる代表疾患の「血友病」。原因は先天性で、血液を固めるのに必要な「血液凝固因子」というタンパク質が欠乏、または働きが低下している状態。複数ある凝固因子のうち、8番因子(第VIII因子)に異常があると「血友病A」、9番因子(第IX因子)に異常があると「血友病B」と呼ばれる。

 重症型に対する治療は、欠乏する凝固因子製剤を定期的に静脈注射(自己注射)する「定期補充療法」だが、昨年、血友病Aの重症型に対する画期的な新薬が登場した。どんな薬なのか。荻窪病院・血液凝固科(東京都杉並区)の鈴木隆史部長が説明する。

 「血友病A全体の約6~7割は、製剤を週2~3回注射する必要のある重症型です。しかし、製剤による第VIII因子の補充により重症型の6~7割の患者さんに因子に対する抗体(インヒビター)が発生します。一度インヒビターが発生すると製剤が効かなくなり、出血回数が増え治療に難渋することがしばしばあります。新薬『ヘムライブラ』は、インヒビターができてしまった患者さんにも効果があるのです」

 インヒビターが発生した場合、これを消失させて従来の製剤を使えるようにするためには、第VIII因子の製剤を長期間投与し体に覚え込ませる「免疫寛容療法」を行っていく必要があった。それでもインヒビターが消失する患者は7割くらいにとどまるという。

 ヘムライブラは抗体医薬で、2種類の抗原に結合する特徴がある。第IX因子と第X因子に結合して第VIII因子の機能を代替して平時の出血を抑えるのだ。昨年5月にインヒビターを有する血友病A患者が先行して適応になり、同年12月にはインヒビターを有さない患者にも適応が拡大された。

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