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【ドクター和のニッポン臨終図巻】俳優・高島忠夫さん 家族に支えられ天寿を全う…本当の意味での「うつへの復讐」 (1/2ページ)

 雨戸を閉めた真っ暗な部屋で終日ベッドに横たわり、まばたきをなくした瞳を天井に向け、顔は表情を失い、言葉は出ない-。これは、『うつへの復讐』(カッパ・ブックス)という本の紹介文です。5年に及んだうつ病との闘いを克明に綴ったこの本は、当時、医療者の間でも話題になりました。

 著名人がうつ病を告白してくれたことには、社会的に大きな意味があると思ったのと同時に、正直私は、タイトルがキツイなあ…とも思いました。普段、うつの患者さんに「病気とうまく付き合っていこうね」と話すので、「復讐」という言葉に違和感を覚えたのです。

 この本の著者である高島忠夫さんが6月26日に、御自宅で旅立たれました。享年88、死因は老衰との報道に、お見事! と呟(つぶや)いていました。「老衰≒天寿」を全うしたということが、本当の意味で、「うつへの復讐」だったのかもしれませんね。

 俳優業や司会業で大活躍だった高島さんでしたが、人気稼業ゆえの暴飲暴食が祟(たた)り、40代で糖尿病と診断されます。120キログラムあった体重を、3年かけて70キログラムまで落としたとか。しかしダイエットの成功とともに睡眠薬と酒量が増え、今度はアルコール依存症に。そして1998年、68歳のときに重度のうつ病と診断されたのです。さらに2000年、70歳のときにはパーキンソン病との診断が。

 うつ病とパーキンソン病を併発する人は多くいます。そこから認知症になる人も少なくありません。きっかけは様々ですが、高齢になるほど、うつ病とパーキンソン病と認知症は、別個の病気というよりも脳の神経伝達物質の異変というグラデーションの中で起こる病態とも言えます。

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