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腸内フローラの乱れが「自己免疫性膵炎」誘発 近畿大がマウス実験で確認

 昨今よく耳にする腸内フローラ(腸内の細菌の集まり)。これが乱れると体にさまざまな影響が出ることが研究で分かってきているが、また1つ解き明かされた。膵臓が炎症を起こして腫れ、黄疸などの症状が出る「自己免疫性膵炎」の発症に、腸内フローラが関与していることがマウスを使った実験で分かったという。やはり、たかが腸の細菌などとあなどってはならない。

 近畿大の渡辺智裕准教授(消化器内科学)らのチームが10日、日本免疫学会の専門誌電子版に発表した。

 この疾患は免疫機能が誤って自分の膵臓を攻撃して起きる。難病のIgG4関連疾患の1つで、がんになりやすいともされるが、詳細な発症メカニズムは不明で根本的な治療法も見つかっていない。今回の結果は予防や治療法の開発につながる可能性があるという。

 チームは、細菌数が100兆~1000兆個、約1000種類ともいわれる腸内フローラが腸管での免疫反応に影響し、さまざまな疾患の発症に関わるとされることに着目。自己免疫性膵炎を発症するようにしたマウスに抗生剤を飲ませ腸内細菌を激減させると、炎症の原因になるタンパク質が減り、発症が抑えられた。重症のマウスの腸内細菌を軽症のマウスに移すと、重症化することも確認した。

 腸内フローラには善玉菌、悪玉菌、状況によりどちらかの味方をする菌がいる。渡辺准教授は「腸内フローラが乱れて多様性が失われると発症すると考えられる」としており、患者の腸内フローラを調べるなどして、関与している細菌の特定を進める。

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