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【手術や入院時に覚えておきたい「せん妄」のリスク】せん妄の直接原因の1つが「睡眠薬」 高齢者の転倒を予防する“非薬物療法” (1/2ページ)

 入院中や手術後の高齢者で注意しなければならないのが転倒だ。ご存じのように、転倒による骨折は「寝たきり」になる大きな原因の1つ。日本医科大学武蔵小杉病院精神科の岸泰宏教授は、せん妄は病院内での転倒と最も関連性があるという。

 「院内の転倒の96%がせん妄と関係する、という研究報告もあります。しかも、そのうちの8割がせん妄と診断されていなかった、とも報告されています」

 せん妄の直接原因の1つは薬剤であり、中でも睡眠薬がせん妄を引き起こしやすい。それならば、高齢者などの、せん妄のリスクが高い人には睡眠薬を投与しなければいいのでは? という推測も成り立つ。しかし岸教授は、不眠だけでも高齢者は転倒するという。

 「転倒の予防で大切なことは、きちんと眠れるようにすることです。そのためには、睡眠の環境を整えることがものすごく大事です。その上で、どうしても必要だという場合に、転びにくい薬を使うのがいいでしょう」

 岸教授は、転倒やせん妄を予防するためには、次のような非薬物療法を、系統立てて根気よく続けていくことが大切だと話す。1つは、アメリカの病室で行われている「HELP」というプログラム。65歳以上の患者に対して、認知の維持、睡眠補助、運動、視力・聴力の補正、脱水の補正を行う。

 具体的には、看護師や家族、ボランティアが、認知の維持のために、患者の名前やその日のスケジュールを書き記したり、いま自分がどういう状況にあるのかの認識を維持したり、再建するための会話をしたりする。

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