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【BOOK】昭和の東京五輪にあって令和の東京五輪にないもの 「史実」と「虚実」を織り交ぜて描いた衝撃物語 月村了衛さん「悪の五輪」 (1/3ページ)

★月村了衛さん『悪の五輪』(講談社・1600円+税)

 東京五輪といっても「2020年」ではない。アジアで初の五輪、敗戦からの完全復興を掲げて1964(昭和39)年に開催された前回の東京五輪。その利権をめぐって、うごめく「闇の世界」を史実を織り交ぜて描いた衝撃の物語だ。(文・梓勇生 写真・三尾郁恵)

 ■1964年--「利権」をめぐる暗闘を描く

 --実在の人物や出来事、場所などが実名で出てくる。どこまでが「史実」なのか

 「もちろんフィクション(小説)ですが、リアリティーを出すためには、史実を無視して書くわけにはいきません。虚実を織り交ぜつつ、『時代の空気』を感じ取ってほしい。フィクションと時代を結びつけるのが、創作の醍醐(だいご)味なんですよ」

 --実名、仮名の判断基準は

 「そこは相当に神経を使いました。関係者の中には、ご存命の方もいて、差し障りが出ることもありますしね。ただ、仮名で書いた人物であっても、『読む人が読めば分かる』という場合もありますよ。登場人物の一人、(トップ女優との不倫スキャンダルを起こした)映画監督も、しかりでしょう」

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