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【BOOK】昭和の東京五輪にあって令和の東京五輪にないもの 「史実」と「虚実」を織り交ぜて描いた衝撃物語 月村了衛さん「悪の五輪」 (2/3ページ)

 --昭和の東京五輪の利権を巡る暗闘がテーマです

 「近年、昭和史に関心があって前作(『東京輪舞』)では、田中角栄元首相のロッキード事件など、公安警察官から見た昭和の事件を描きました。昭和という時代は、調べれば調べるほど面白いんですよ。底なしの暗黒というべき闇が渦巻いていた時代です」

 「昭和の東京五輪のころに、自民党内で党人派と官僚派の暗闘が繰り広げられていたのは、紛れもない史実。五輪の利権をめぐっても、あらゆる勢力が裏で暗躍していた。それを『五輪記録映画』という切り口から描いてみたかったのです」

 --政財界、ヤクザ、右翼、映画界…関係者は多岐にわたっている

 「執筆のときには毎回、積み上げた資料と“格闘”でしたね。当然、時間はかかる。作家の仕事としてのコストパフォーマンスはまるでよくない(苦笑)。調べるうちに、どんどんのめり込んで、本筋から離れそうになったことも…。大変な作業でしたが、作家として、やりがいがある仕事であることは間違いありません。次回以降、正面から取り組んでみたいテーマになりそうな人物や問題も、いくつか見つかりましたしね」

 --主人公の若いヤクザは、組織に属しているが、一匹オオカミで映画好きという設定です

 「まったく架空の人物ですが、書いているうちに、どんどん自分に近づいてくる。にじんでくるというのかな。映画が好きで変人。目的のためには努力を惜しまない」

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