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【がん治療最前線】悪性度の高いがんに挑む「間質ターゲット療法」 (2/3ページ)

 指などを切ったときに血が固まるのがフィブリンの働きで、通常は血液の中に溶けた状態。がん細胞にはフィブリンが固まった状態でついている。この不溶性フィブリンだけに特徴的な「くぼみ」の構造を松村氏らが2013年に見つけた。DDSでくぼみにくっつくIgG抗体に、フィブリン中でのみ活性化されているプラスミンというタンパク質分解酵素で切断されるアミノ酸をつけ、その先に抗がん剤を付加させたADC(抗体薬物複合体)を作製。「ADCがくぼみについたときにのみ抗がん剤が放出される」仕組みの薬剤を新たに作った。

 日本医療研究開発機構(AMED)のサポートを受け、国立がん研究センター発ベンチャーの凜研究所を中心に4研究機関がタッグを組んで開発が推進される。スムーズにいけば22年には、臨床試験がスタートする。

 「悪性度の高いがんというのは、周辺が間質で囲まれて栄養不足の劣悪な環境下でも増殖を続けるほど、非常にやっかいな特性を持っています。一筋縄ではいかない。CASTと免疫チェックポイント阻害剤との併用など、将来的には新たな治療法の組み合わせが必要だと思っています」

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