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【がん治療最前線】悪性度の高いがんに挑む「間質ターゲット療法」 (3/3ページ)

 松村氏は、何度も壁にぶつかりながらも、新たな治療法の開発を模索し続けてきた。抗がん剤以外にも、放射線を付加してがん組織へ届けるDDSなどの研究も進展させている。

 「細菌に対する抗生物質のように、がんにだけよく効いて死滅させる薬を実現したい」と展望を語った。新たな展開に期待したい。(安達純子)=おわり

 ■間質ターゲット(CAST)療法とは

 悪性度の高いがんの周囲は、間質という組織で覆われている。間質の形成に関わるのが、がんが増殖するときに傷つけた毛細血管の修復に関わる不溶性フィブリン(タンパク質の一種)だ。ドラッグデリバリーシステム(DDS)を応用し、フィブリンが接着剤のように固まった状態のときに付着する「抗不溶性フィブリン特異抗体」に抗がん剤を付加。その薬がフィブリンにくっついたときに抗がん剤を放出し、がんとがんにつながる血管(新生血管)の両方を攻撃する治療法を「間質ターゲット(CAST/Cancer stromal targeting)療法」という。

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