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【マンガ探偵局がゆく】フーテンの寅さんにも通じる男の魅力… 大阪のマンガ家・吉田松美の「不乱剣シリーズ」 (1/2ページ)

★ミッション(91)64年前に読んだマンガを探せ

 夏休み時期になると少年時代を思い出す人が増えるらしい。今回はこんな依頼。

 「子供の頃読んだマンガを探してくれる、と聞きました。私たちの年代は、マンガを読んでいると親に叱られるので、いまの人たちほどたくさん読んでいるわけではありません。でも、最近になって小学校の頃、兄が貸本屋さんで借りてきたマンガのことがしきりに思い出されるのです。チャンバラもので、フランケンシュタインの怪物のような顔をした剣士が主人公。シリーズものだったので、兄弟そろって何冊も読んでました。この程度の記憶でも探してもらえますか?」(75歳・ご隠居)

 これはなかなか難しい依頼だが、ご隠居さんの言う「貸本屋にあったマンガで、主人公がフランケンシュタインの怪物に似ている」という特徴から調査を進めてみた。

 ご隠居さんが探しているマンガは昭和30年代に活躍した大阪のマンガ家・吉田松美の「不乱剣シリーズ」だと思われる。

 江戸時代を舞台にしたチャンバラマンガで、主人公は謎の浪人・不乱剣朱太郎。秘剣・無明菊一文字を使う正義の剣士だが、フランケンシュタインの怪物に似ているために悪人だけでなく、女性や子供からも恐れられている。朱太郎の優しさと心の美しさに惹かれるヒロインも出てくるのだが、ヒロインを救ったあとで、朱太郎はひとり寂しく去っていく、というお決まりのパターンになっていて、のちの『男はつらいよ』のフーテンの寅さんにも通じる男の魅力がある。

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