記事詳細

【BOOK】読者がみたことのない結末に心燃やし…新しい驚きへ“昇華” 長岡弘樹さん「119」 (1/3ページ)

 ★長岡弘樹さん 『119』文芸春秋1500円+税

 とにかく読者を驚かせたい、という。警察学校を舞台にした『教場(きょうじょう)』でブレークした著者が、消防官の世界をミステリーで描く。命に直面するギリギリの現場で織りなされる人間ドラマと、そこに潜む闇。うーん、今度も新しい。(文・南勇樹 写真・宮崎瑞穂)

 --新たなジャンルの開拓です

 「ひとつの職業に特化した作品を描きたいと考えていた中で、消防のアイデアが浮かびました。ただ“消防もの”というと、どうしても、火事が発生して消防官が駆けつけ、現場で事件の匂いをかぎつけ、解決する、といったパターンになりがち。私は、それとは少し違う『驚き』や『サプライズ』を盛り込みたいと思ったのです」

 --驚き、ですか

 「星新一さんのショートショートのようなアイデア小説が好きなのです。私は、『物語』よりも『アイデア』で勝負したい。読者をアッと驚かせるような結末をまず考え、そこから逆算して話を組み立てるやり方ですね」

 --「消防官は誰もみな、いつ顔を出すか分からない闇を抱えたまま…」という登場人物のセリフが印象的

 「消防は、常に『命』に直面する仕事です。24時間、緊張を強いられる消防官のストレスは大変なものでしょう。単に、火事や救急への対応だけでなく、日々の緊張感やストレスなどの中で生まれる『消防官同士のやりとり』が面白いと感じたのです」

関連ニュース