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【生涯現役脳をめざせ!】生殖を終えた後も長く生きる生物…なぜヒトには「閉経」がある? 「認知症予防」専門医対談 (1/2ページ)

 日本人の認知症の8割は80歳以上。その8割が女性だから、認知症の問題は高齢女性の問題とも言える。今回からのシリーズでは女性の一生を支配するホルモン(エストロゲン)の基本とホルモン補充療法(HRT)、認知症との関わりなどについて専門医に聞く。

 朝田 更年期はざっくり言うと何歳くらいという定義でしょうか。

 宮坂 閉経をはさんだ前後5年、約10年間の時期を指しますので一般的に45歳から55歳くらいです。人間のように生殖を終えた後も長く生きる生物は、実はごくわずかです(※編注)。なぜヒトには閉経があるのか? いろいろな仮説がありますが、その1つに「祖母仮説」があります。ヒトの妊娠期間は10カ月と長く、1回の妊娠で産まれるのは基本的に1人です。繁殖の面から考えると短い間隔で次々に産みたいのですが、授乳期間も長く、母親が子の面倒をずっと見ていると次が産めない。その点、孫の面倒を見られる祖母がいれば有利だったのではないかという説です。実際、江戸時代の宗門改帳を調べると、祖母と同居している孫がいちばん生存率が高いのです。

 朝田 それは面白いです。ヒトは繁殖に有利なように進化して閉経というしくみを獲得したと。

 宮坂 江戸時代も更年期の年齢は今とそれほど変わっていません。平均寿命が短いといっても乳児の死亡率が違うだけで、長生きの人は長生きでした。

 朝田 乳幼児の生存率に貢献したのが閉経後も長生きした祖母だったという説なのですね。

 宮坂 女性は分娩(ぶんべん)のリスクも高く、女性特有の病気があるにも関わらず男性よりも長生きします。閉経後も女性ホルモンが枯渇しなければもっと長生きするんじゃないかと、どうしても期待してしまいます。

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