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【生涯現役脳をめざせ!】ホルモン補充療法(HRT)と認知症の歴史 「認知症予防」専門医対談 (1/2ページ)

 ホルモン補充療法(HRT)と認知症の歴史は古い。エストロゲンが認知症予防薬として注目され始めたのは1970年代。以来、さまざまな研究、調査が行われ、現在も厚生労働省と専門家が作成するガイドラインや世界的論文で、HRTはアルツハイマー病発症リスクを下げる可能性ありという見解が示されている。

 朝田 認知症治療法としてのHRTは、私が20代の頃から、出ては消えて出ては消えてを繰り返してきたという印象があります。なかでも衝撃的だったのは、2002年WHI(※編注)の大規模臨床研究の発表でした。エストロゲン補充療法のメリットを調べる目的で行われた研究でしたが、実際には乳がんが増えて中止となり、一気にHRT熱が冷めた時代がありました。

 宮坂 私もかつてネズミを使った迷路実験で認知機能とホルモンの関係を研究していたことがありました(図)。でも動物実験レベルで得られる結果が大規模な臨床研究だとなかなか得られない。どういう人を対象に、どういうホルモンをどれだけ投与すべきか、その手法については今も議論されていてます。

 朝田 エストロゲンは認知機能に何らかの関わりがあると今も考えられているのですか。

 宮坂 2017年のガイドラインでは「HRTは認知機能の改善には効果はないが、アルツハイマー病発症のリスクを下げる可能性がある」とされています。

 朝田 そうなんですね。しかし同時に「認知機能の維持、または認知症の予防を主な目的としたHRTは薦められない」とも書かれていますね。

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