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【続・長生きは本当に幸せか?】「苦しまずに死ぬ」ことはできるのか? 痛みに緩和ケア…誰もが不安な最期 (2/3ページ)

 痛みのきついがんに肺がんを挙げる医師もいます。がんが肺全体に転移してしまうと、ゼーゼーと息苦しさに苛(さいな)まれることになるうえ、末期には肺に水が溜まり、いくら息を吸っても呼吸ができなくなるからです。

 最近、死因で上位にランクされる肺炎(誤嚥性肺炎)も肺がんと同じく呼吸困難に陥り、高熱を出したうえ、痛みにうんうんと唸るようになります。そうした患者さんに接したことがありますが、患者さんの苦しがっている顔がいまも頭から離れません。

 しかし、最近の緩和ケアの進歩には驚くべきものがあります。緩和ケア態勢が整っている病院では、専門的な知識と技術を身につけた専門医を中心にケア専門の看護師、薬剤師、心理士、ソーシャルワーカーなどの専門家がチームをつくり、患者さんの状況に応じて診療に当たっています。

 そこでは、患者さんのQOL(生活の質)を第一に考えたケアが行われます。緩和ケア病棟は、ほとんどが個室で、家族も泊まれるようにソファベッドなどが置いてあります。面会時間の制限はありません。病棟によっては愛犬を同伴できるところもあります。

 最近は、体の痛みばかりか、心の痛みを「スピリチュアル・ペイン」と呼び、これをケアしてくれる専門家がいる病棟もあります。

 ただし、誰もが緩和ケア病棟で最期を迎えられるわけではありません。国は方針として、病棟から患者さんを在宅に戻すことを勧めているからです。在宅でも緩和ケアができるように整えつつありますが、人材がまったく足りていません。

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