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【週末、山へ行こう】美しく険しい、白く輝く「貴公子」たる名峰 甲斐駒ヶ岳(南アルプス) (1/2ページ)

 とにかく美しい山だ。電車に乗ればJR中央本線の車窓から、車なら中央道からも三角形の山姿がよく目立つ。近くに寄れば花崗(かこう)岩の白い峰が際立ち、ほれぼれする。深田久弥は『日本百名山』の中で「日本アルプスで一番代表的なピラミッド」「日本アルプスで一番奇麗な頂上」として甲斐駒ケ岳を挙げている。北岳、仙丈ケ岳などスターぞろいの南アルプス北部の山の中でも、その美しい山姿から「南アルプスの貴公子」と呼びたくなる名峰だ。

 山頂を目指すにはいくつかの登山道があるが、路線バスでアクセスができ、入山者が多く比較的登りやすいのは北沢峠からのルートだ。登りやすいといっても北沢峠から山頂までの標高差は1000メートル。続く急斜面、途中には岩稜帯や巨石をぬって進むような場面もあり、なかなかの体力勝負となる。樹林帯を過ぎて目の前に甲斐駒ケ岳の白い岩峰が姿を現すと、美しい姿に感動するとともに、まだまだ続く先の険しさに気持ちが引き締まる。

 しかし、山頂一帯の景観は頑張って登ってきた登山者の期待を裏切らない。山頂付近の美しい白砂の稜線(りょうせん)に、こんなに高い山になぜ砂浜のような景色が広がるのかと驚く。

 白い石がごろごろと点在する広々した山頂に立てば、360度の素晴らしい眺めに言葉を失う。間近に仙丈ケ岳や北岳、鳳凰(ほうおう)三山など南アルプスの山々がそびえ、その向こうに富士山がちょこんと頭をのぞかせている。八ケ岳や北アルプスの山々も見渡せる。天気がよければ、いつまでもぼーっと景色を眺めていたくなる、居心地のよい山頂だ。

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