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【ドクター和のニッポン臨終図巻】闘病中も筆力は健在、最期は“塀の外”で楽しく… 作家・安部譲二さん (1/2ページ)

 〈俺が冬から初夏まで無抵抗で閉じ込められていた病院は、まるで強制収容所か監獄みたいな所だった。(中略)俺はそんな所で4カ月近くも、医師とナースの指示通りに過ごした。刑務所ではシンナーも吸ったしタバコも自在にやった俺だが、今回はタバコはもちろん、寝酒のビールすら呑まず、なんでも言われた通りにしていた。78にして生まれて初めて模範囚をやったのだ〉(2015年7月6日~シャバに戻った!)

 このブログを読んで思わずニヤリとしてしまいました。闘病中もその筆力は健在だったのですね…刑務所での実体験を基にした『塀の中の懲りない面々』等で知られる作家の安部譲二さんが9月2日に自宅で死去されました。死因は急性肺炎。82歳でした。4年前に大腸がんの手術をしましたが、その後も舌鋒(ぜっぽう)鋭く執筆活動を続けておられました。

 大腸がんが見つかったとき、余命1年と宣告されたようですが、術後4年、しっかりと生きられました。2017年5月のブログには、こんな記述があります。

 〈俺は大腸癌のステージ4だが、御歳八十で息を止められるのは癌じゃないと思う。無類の食いしん坊で、子供の頃小児喘息だった俺は間違いなく食中毒か肺炎で身罷る。そんなことまで俺にはみんな分かっている〉…見事的中です。

 昨年末には、肺転移が発覚。その直後に散歩中に転倒、右大腿(だいたい)骨と右手首を骨折しました。それをきっかけに入退院を繰り返すようになり、亡くなる前日に肺炎で容体が急変したそうです。

 転倒がきっかけで入院。体力が落ちてしまい、そこからあっという間…という人は実に多いのです。樹木希林さんもそうでした。

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