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【食と健康 ホントの話】災害時に役立つおいしい「常備蓄」 普段食べているものに安心感 (1/2ページ)

 台風・豪雨や震災など、これまでにない大きな天災に見舞われることが増えている。このようなときにこそ、食料の備蓄について考えたい。

 食品、調理、栄養を分子レベルで研究、東日本大震災を経験し、さらに「おいしさ」の研究を開始した、宮城大学食産業学群の石川伸一教授に話を聞いた。

 平常時に私たちができることは、備蓄だ。しかし石川教授がいくつかの調査を見たところ、平常時に食料の備蓄をしている人はだいたい25%前後で、災害が起こると50~60%くらいになる、というのが一般的だという。備蓄しない理由は、気が回らない、面倒、スペースがない、お金がないなど。この裏には、「震災なんて来ないでほしい」、嫌なことをわざわざ考えたくない、という心理的な負担があるそうだ。

 石川教授は、人にはそういった心理があるということを理解し、その壁をできるだけ取り除くような方策を考えることがおすすめだという。その有用な方法の1つが、いつも家庭にある「常備」食を多めに用意して「備蓄」する、「常備蓄」という考え方だ。

 石川教授は自身の経験から、災害時の非常食であっても「おいしさ」をできるだけ追求するべきだと考えている。この場合のおいしさとは、「グルメのためのものではなく、被災者などの困っている、おいしいものを食べたいけれども食べられない〈おいしさ弱者〉のためのもの」という。

 「被災などの大きなストレスがかかったときに、食べ慣れないものを食べること自体が新たなストレスを呼び起こします。そこで、普段食べているものをできるだけ非常時においしく食べることができれば、それ自体が心を落ち着かせることができるのではないか、と考えています」

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