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【ドクター和のニッポン臨終図巻】落語家・山遊亭金太郎さん 骨髄異形成症候群から一時回復も、急性骨髄性白血病に移行 (1/2ページ)

 「ぜんざい公社」という落語をご存じでしょうか。酒だけではなく、甘い物にも税金をかけようと考えた国が、「ぜんざい公社」というビルを建てます。

 その前を通りかかった男。ぜんざいが食べたくなり中に入ると、書類を書かされるわ、大金を印紙で払わされるわと、たらい回しになります。くたびれた揚げ句、ようやく念願の「ぜんざい」にありついたと思いきや、それが汁気も甘味も感じられない、酷いシロモノ。

 これがぜんざいか! と怒ると、お役所の人はこう言います。

 「甘い汁はすべて当方が吸っておりますから」

 落語家の山遊亭金太郎さんは、入院していた病院内で7月に落語会を行い、この噺で患者さんや医療者を大いに沸かせたそうです。しかしそれが、最期の高座となってしまいました。

 9月17日に都内の病院で死去。死因は、急性骨髄性白血病との発表です。64歳でした。

 金太郎さんが「だるい、調子が悪い」と言い出したのは昨年の夏のこと。精密検査の結果、骨髄異形成症候群(MDS)と診断されました。これは、赤血球、血小板、白血球の大本である造血幹細胞に異常が起きる病気です。

 全身倦怠(けんたい)感や動悸(どうき)、息切れ、鼻血など、さまざまな症状が現れます。貧血を訴えて外来に来られる高齢者に、この病気が見つかることも稀ではありません。

 金太郎さんはすぐに、抗がん剤治療を始めました。そして今年に入ってからは、ご家族からの造血幹細胞移植を行っています。そこから徐々に体調が回復し、高座に上がることもできるように。しかし、この6月に急性骨髄性白血病に移行してしまいます。

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