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【マンガ探偵局がゆく】“元祖麻雀マンガ家”は誰だ!? 阿佐田哲也&北野英明のコンビによる「雀ごろブルース」 (2/2ページ)

 依頼人が社会人になったばかりの時代に活躍した麻雀マンガ家といえば、やはり北野英明だろう。北野英明は、手塚治虫の虫プロダクションでアニメーターとして活躍したのち、独立してマンガ家になったという経歴の持ち主。71年に『プレイコミック』に阿佐田哲也・原作/北野英明・マンガで連載された「牌の魔術師」は麻雀マンガの連載第一号だと言われている。

 阿佐田哲也(色川武大)は69年に『週刊大衆』に自伝的麻雀小説「麻雀放浪記」を発表して麻雀小説のジャンルを確立した作家。北野は私生活でも大の麻雀好きで、腕は玄人はだし。当時の編集者によればそこを見込まれての起用だったという。

 のちに北野は「これが麻雀劇画を開拓、確立した」と阿佐田原作の短編「雀ごろブルース」を挙げているが、これは72年の発表。阿佐田の短編集「雀豪列伝 天和無宿」からのコミカライズだった。

 その後も、北野は阿佐田の原作で「麻雀放浪記」「天和無宿」など、野村敏雄の原作で「麻雀水滸伝」などをつぎつぎに発表。麻雀マンガの第一人者として、81年には竹書房から麻雀マンガ誌『北野英明マガジン』が創刊されるまでになったのだった。

 ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。京都精華大学マンガ学部客員教授。和歌山大卒業後、銀行勤務を経て編集プロダクションを設立。1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。著書多数。

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