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【待ったなし!流行が加速するインフルエンザ対策】「耐性ウイルス」出現に警鐘! 「とにかく薬」ではなく使い方を考える (1/2ページ)

 インフルエンザを発症したときに使用されることが多い「抗インフルエンザ薬」。薬への耐性ウイルスの出現について国内外で慎重な調査が続けられている。昨年発売されたばかりの「バロキサビル マルボキシル(商品名/ゾフルーザ)」では、A型「H3N2」の約10%に耐性ウイルスがいたと報告されている。

 「うんと軽い人も含め、インフルエンザの全てに抗インフルエンザウイルス薬を機械的に使うのではなく、重症化しやすい人などに重点的に薬を使用するなどの考えは必要だと思います」

 こう指摘するのは、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長。「ゾフルーザ」の発売直後から、耐性ウイルス出現に警鐘を鳴らしていた。

 「耐性ウイルスが多くなって治療薬という武器が失われると、子供や高齢者、心臓病・呼吸器疾患などの基礎疾患を抱えて重症化しやすい人たちを救うことが難しくなります。『良い薬の大事な使い方』という考え方も必要ではないかと思います」

 岡部所長によれば、海外では、「多くの人で様子を見ていれば治るインフルエンザ」に対し、「高価な抗インフルエンザ薬をみんなに使うという考え方は取らない」という国の方が圧倒的に多いという。

 しかし、日本では、発熱や咳(せき)などの症状で医療機関を受診するとインフルエンザ検査キットで診断し、「タミフル」や「ゾフルーザ」などが処方されるのが一般的。薬を飲んで自宅で寝ていると翌日には元気になる。だが、体内にはまだウイルスが残っていて、他の人にうつす可能性がある。またこの状態で熱が下がったからといって「タミフル」などの1日2回服用の薬を止めてしまうと、体内のウイルスは再び増えてくる可能性があり、さらに他人にうつしやすくなる。

 ゾフルーザは1回処方なので途中で止めることはないが、やはり熱が下がってもまだウイルスは体から消え切っているわけではない。

 「『ゾフルーザ』に限らず、薬をたくさん使えば、耐性ウイルス出現のチャンスは増加します。『ゾフルーザ』は『タミフル』などよりも耐性が生じやすいことは、すでに知られているところです」

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