記事詳細

【おやじ酒場】創業からの名物料理「千草巻き」 新宿3丁目「居酒屋 千草」 (1/2ページ)

 新宿通り・明治通り・甲州街道・JR線路に囲まれた新宿3丁目エリア。昭和の昔は森繁久弥、三崎千恵子ら名優を輩出した「ムーラン・ルージュ新宿座」があった。街並みの顔が変わりゆくなかで演劇人の香りを残す老舗酒場があった。

 JR新宿駅中央東口を明治通りに向かって歩き出す。新しい中にもレトロな部分も残された繁華街。宵闇の裏路地に歴史的な居酒屋がたたずんでいた。

 おもむろに暖簾(のれん)をくぐると趣のある店内。若女将のような雰囲気を持つ大山久美子さんが「いらっしゃいませ」とステキな笑顔でお出迎え。手前にはテーブルが並び、厨房(ちゅうぼう)越しにカウンター。奥には個室的なテーブル席も。店主の杉本茂さんが案内してくれた囲炉裏席で「エビス生」(中650円)をグビッ、喉を鳴らす。アテは黒板メニューの「〆サバ刺(石川)」(700円)。上品な浅じめでサバのうま味にうっとりだ。

 創業は1936(昭和11)年の老舗。戦災に負けず、昭和と平成を生き抜いてきた。いたるところに舞台のポスターや有名人の色紙などが飾ってあり、役者さんや演劇関係者が集い愛されている店のようだ。5年前にリニューアルして、俳優で狂言師でもある2代目が20年来の常連客、杉本さんに暖簾を託した。「新宿という街が好きなのと、人とのつながりを感じてバトンを受け取りました」

関連ニュース