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【阿部亮のつぶやき世界一周】話題の「トリチウム水」とはどんな物質なのか?

 福島第1原発事故の汚染水として、膨大にたまってしまって、間もなく置き場所が無くなる的な大問題になっている「トリチウム水」。耳慣れないので、不気味な物質かと思いきや、宇宙で最もありふれた原子(=水素)の同位体。どういうことか調べてみた。

 水素や炭素や酸素などさまざまな原子は、陽子や中性子でできた「原子核」と、その周りに存在する「電子」で構成されている。普通の水素原子は、陽子1個の原子核と電子1個で構成される。

 しかし自然界にはごくまれに、陽子1個+中性子1個の原子核の重水素、陽子1個+中性子2個の三重水素が存在し、これらを水素の同位体と呼ぶ。水素だけは特別に同位体別に名前がつけられていて、重水素をデューテリウム、三重水素をトリチウムと呼ぶ。

 トリチウムは、放射性同位体で、半減期12・32年。非常に低いエネルギーのβ線を出して、安定元素のヘリウム3に変わる。

 そのトリチウムが酸素と反応して、トリチウム水(普通の水の水素原子1個がトリチウムに置き換わったモノ)になるのだが、これが原発事故の汚染水として問題になっている。

 ただトリチウム水として体内に摂取した場合の生物学的半減期は約10日、水素の代わりにトリチウムが有機物化した場合の半減期は約40日。多くは水として取り込まれるので、体に取り込みやすく、排出されやすい。生態濃縮や身体の特定の部位に集まって滞留することも少ないので、放射性物質の国際基準以下に希釈すれば、普通の水として処理可能。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。

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