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【BOOK】「当たり前の日常」が歪んでいく恐怖…「無駄話にみせかけて伏線。じっくり読んでほしい」 荻原浩さん『楽園の真下』 (1/3ページ)

★荻原浩さん『楽園の真下』文藝春秋1750円+税

 亜熱帯の島で虫パニック! コメディーからハードボイルドまで、多彩な作品を発表し続ける人気作家の新作は「サイエンスサスペンス」。当たり前の日常だったはずが、気づけば大きく歪んでいて…。(文・阿蘇 望) 

 --本作のアイデアはどこから

 「単純な話で、窓を開けたとき、でっかいカマキリがいたら恐ろしいだろうなぁ、と。テーマやメッセージより先に、そういうイメージがふっと浮かんだ。それと別に、以前からカマキリに寄生するハリガネムシに興味がありました。ハリガネムシは自分が産卵するために、宿主のカマキリの脳を操って水に飛び込ませるんですよ。かなり怖い話でしょう。そういう興味のあるものが合体して、構想が膨らんできた」

 ■窓を開けたら 巨大カマキリ

 --帯には「サイエンスサスペンス長編」と

 「サイエンスものを書こうと思ったわけではなくて、非現実的なものがいきなり出現して人間殺戮(さつりく)、では面白くないから、こういう事実がある、こういう学説もある、それならこういう可能性はある、といろいろなことを調べながら、話を進めていきました。だから後付けサイエンスですね」

 --カマキリって、見るとたしかに怖い

 「カマキリの顔って、宇宙人みたいでしょう。しかも鎌を持ってる。なかなかこういう造形のものはない。あのね、これを書いているときに、カマキリ飼ってたんです。家の庭で見つけて。本に登場するのはオオカマキリだけど、飼ったのはハラビロカマキリ。ハラビロもずんぐりしてて迫力あるんですよ。ラグビーでいうと一番前の四角い体してる人たち。あんな感じで」

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