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【ドクター和のニッポン臨終図巻】希望を忘れずに病と共存する大切さ教えてくれた… 女優・八千草薫さん (1/2ページ)

 「銀河鉄道999」のメーテルのモデルだったと知り驚きました。確かにメーテルのような神秘性があり、そして白ユリのような、たおやかな美しさもあって…誰もが憧れる女優さんだったでしょう。その花が静かに落ちるようにして、逝ってしまいました。女優の八千草薫さんが10月24日逝去。享年88。死因は膵臓(すいぞう)がんとの発表です。

 膵臓がんになる人が年々増えています。食生活の欧米化が増加の原因と言われています。同時に、糖尿病の増加がその背景にあります。糖尿病から膵臓がんに移行する人が実に多いのです。現在、わが国に糖尿病の人は約1000万人いると推定され、まさに国民病。糖尿病の予防と改善が一番の膵臓がん予防です。そして糖尿病で受診する際、膵臓もエコーでチェックすることが早期発見に繋がります。しかし、臓器別縦割り医療のなかでは、この二つの関連性を見過ごされがち。そこで総合診療を推進する医師として、『糖尿病と膵臓がん』という本を昨年書いたところ多くの反響を頂きました。

 2017年の調査では、膵臓がんは肺、胃、大腸に次いで臓器別がん死亡率第4位。一方、同罹患(りかん)率では5位以内に入っていません。つまり、治るがんが増えた現在においても、膵臓がんだけは早期がんで見つかりにくく、5年生存率も約7%と低いままのがんです。

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