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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】パーキンソン病「デバイス治療」に万全の体制 順天堂大学医学部附属順天堂医院・脳神経内科准教授の大山彦光さん

 今年9月、順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都文京区)に、新しい専門外来として「デバイス治療(DAT)専門外来」が開設された。

 DATとは、投薬治療で病状のコントロールが難しくなったパーキンソン病患者に、専用の医療装置を装着することで、継続的な治療のこと。担当するのは同大脳神経内科准教授の大山彦光医師だ。

 「高校時代は人工知能(AI)の研究者になりたかったんです。でも、AIを知るには、まず人間の脳の仕組みを知る必要があると考えて」医学部に進んだ。

 卒業後もその思いは強く、脳神経内科に入局。脳に起きる異常から発症する神経変性疾患の治療と研究に取り組んできた。

 パーキンソン病は、発症そのものの原因はまだ未解明だが、脳でドーパミンという神経伝達物質が不足することで起きる体のふるえや筋肉のこわばりなどにより、自分の意思通りに体を動かすことが困難になる病気。初期では薬剤を服用することで症状をコントロールできるが、進行期になると、それも難しくなる。そこで行われるのがDATだ。

 「DATには、脳に電極を挿入し、胸に埋め込んだ器械から電気刺激を送り続ける『脳深部刺激療法』と、胃にあけた穴を通して小腸に直接薬剤をポンプで送り続ける『レボドパ経腸療法』の2通りがあります。いずれも外科的処置が必要なので、脳神経外科や消化器外科、さらには精神科との連携の下での取り組みです」

 一方の専門外来では、臨床心理士や看護師とのチーム医療を展開。若手医師の教育にも力を入れる。

 「パーキンソン病に対するデバイス治療は日々進歩しています。その中で、その患者さんにとって最適な治療を選び、確実に行っていきたい。その体制がここには整っています」

 10万人当たり150人の有病率とされるパーキンソン病は、決して珍しい病気ではない。高齢化を背景に今後患者数の増加が予想されるだけに、大山医師らの取り組みは内外から注目されている。(長田昭二)

 ■大山彦光(おおやま・げんこう) 1977年、千葉県生まれ。2002年、埼玉医科大学医学部を卒業し順天堂大学医学部脳神経内科入局。10年、順天堂大学大学院修了。その間、09年から2年間、米フロリダ大学運動障害センター留学。14年から順大医学部脳神経内科准教授。日本神経学会専門医・指導医他。現在フロリダ大学客員准教授を兼務。医学博士。米国脳神経学会フェロー。趣味はワイン。

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