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【BOOK】龍馬は「薩長同盟の仲介役」ではなく「亀山社中」も存在しなかった!? 町田明広さん『新説 坂本龍馬』 (1/3ページ)

★歴史学者・町田明広さん『新説 坂本龍馬』集英社インターナショナル新書 900円+税

 11月15日は、坂本龍馬の命日(慶応3=1867年)だ。日本史上のスーパーヒーローのひとりとされてきたが、本書によれば、ドラマなどで描かれる龍馬像は史実とかなり違う。「薩長同盟の仲介役」でもなく「亀山社中」も存在しなかったって。えっーーーっ!(文・南勇樹)

 ■大河ドラマの影響大

 --生まれた日と死んだ日が同じ(11月15日)点も怪しい

 「龍馬が生まれた日は曖昧です。はっきりしないことを後世の人間がよりドラマチックに仕立ててしまう傾向はよくあるんです。幕末の出来事を何でもかんでも龍馬や西郷隆盛がやってしまったことにしてしまうことなんかそうですね」

 --維新後、龍馬は忘れられた存在だった

 「龍馬は2回復権していると思う。1回目は明治の日露戦争のとき、皇后の夢枕に龍馬が立ったというエピソード。これは薩長に権力を握られていたことを苦々しく思っていた土佐系の人間が流した話でしょうね」

 「2度目が明治百年(昭和43=1968年)のころです。これは司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』(37年~産経新聞連載、43年NHK大河ドラマ)の影響が大きい。小説か史実か曖昧で、いつの間にか境界線がなくなっていった。(司馬が)作品を書くためにトラック1杯分の文献を集めたとか、断定的に書く文体もあいまって、多くの日本人が『史実』だと思い込んでしまったのです」

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