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【ドクター和のニッポン臨終図巻】この人以上の愛妻家はいない「妻に捧げた微笑みの1778日」 SF小説家・眉村卓 (1/2ページ)

 ファンの方には怒られるかもしれませんが、私がこの方の存在を知ったのは、実は数年前のことです。それで初めて、SFの傑作をたくさん書かれたすごい作家さんなのだと知りました。

 わが国を代表するSF小説家・眉村卓さんが11月3日に大阪市内の病院で死去しました。享年85。死因は、誤嚥性肺炎との発表です。報道によれば、眉村さんは7年前に食道がんが見つかりました。このときの治療はうまくいったようですが、昨年、リンパ節への転移が見つかり、放射線治療を受けていたようです。

 食道がんは、わが国では年間2万人強の人がなるといわれています。胃がんや大腸がんなどに比べれば、罹患(りかん)する人が少ないがんです。ただし進行が早く、リンパ節の転移が起こりやすいために治療が難しく、膵臓(すいぞう)がんと並んで予後の悪いがんとも言われます。

 60~70代に多く発症し、また、圧倒的に男性が多いのも食道がんの特徴。自覚症状が出にくいことが発見の遅れる理由です。もし熱いものや酸っぱいものを飲み込んだときに沁みるような感じがしたり、胸に違和感を覚えたときなどは、消化器内視鏡専門医を受診し検査をされることをお勧めします。

 がんが進行すれば食べたものがつかえたり、声がかすれたりすることもあります。しかし、眉村さんはリンパ節転移まで5年以上も時間があったようなので、手術を受けた意味があったのでしょう。食道の摘出手術をした場合、どうしても飲み込む力が弱まるため、誤嚥性肺炎を起こしやすくなることがあります。

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