記事詳細

【長田昭二 ブラックジャックを探せ】心疾患の血管内治療におけるトップランナー 川崎幸病院循環器内科主任部長心臓病センター副センター長・桃原哲也さん

 JR川崎駅から徒歩10分。川崎幸(さいわい)病院は1973年開設、326の病床と24の診療科、そして6つの高度医療センターを擁する中核病院。年間1万件超の救急車受け入れ実績を持つ地域医療の砦だ。

 ここの循環器内科主任部長として今年1月に着任した桃原哲也医師は、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患に対する血管内治療(PCI)の名手として知られる循環器内科医である。

 「断らない医療」を理念とする同院に、全国的な知名度を持つ桃原医師が来たことで、心臓疾患の患者が急増。11月から心臓病センターの病床を47床から86床に増床して、受け入れ態勢の強化を図っている。

 特に現在、桃原医師が力を入れるのが、大動脈弁膜症に対して血管内から人工弁を装着する「TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)だ。日本でのTAVIの治験から携わってきた桃原医師にとって、新天地でこの技術を根付かせることは、自身に課した至上命題でもある。

 「高齢者に対する低侵襲治療としての優位性は示されたので、あとは安全に症例数を重ねていくことですね」と自信を見せる。

 よく、医療の世界では「チーム医療」という言葉が使われる。多職種が一つの目標に向けて、チームによる総合力を発揮することを指す表現だが、桃原医師はこう話す。

 「うちはチームのさらに上を行くファミリーという認識です。それだけ結束力も高いし、連携が取れています」

 そんな桃原医師の掲げるスローガンは、「医療を通じた社会貢献」だ。目指す姿をこう説明する。

 「いまは『川崎幸病院で治療してよかったね』と喜んでもらえる存在ですが、近い将来『心臓なら川崎幸病院だね』と言われるレベルに持っていきたい。我々はチャレンジャー。伸びしろは大きいですよ」

 日本最高峰の技術を持つ循環器内科医は、さらなる高みを目指す。(長田昭二)

 ■桃原哲也(とうばる・てつや) 1964年、沖縄県宜野湾市生まれ。89年、久留米大学医学部卒業。東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器内科、国立横浜病院、榊原記念病院勤務を経て、2019年1月から現職。日本循環器学会認定専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医・指導医・施設代表医、TAVIプロクター(指導医)他。医学博士。趣味は読書とランニング。

関連ニュース