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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「神」》これぞ、トップアーティストの神業

 思春期以降、髪型が悩みの種だ。襟足が長く、頭の形が絶壁なため、できる髪型が限られている。まずショートカットは似合わない。かといって髪を伸ばしても、髪の量が多く広がってしまう。私のセンスが今一つなのもあるだろうが、どんな髪型もやぼったく見えてしまう。

 あるレストランで会社の先輩らと髪型談義をしていると、店員の女性から声をかけられた。「じゃあ、この人に切ってもらったらどうですか」。隣のテーブルに座っていたのが、美容師のKさんだった。

 早速名刺を交換したところ、肩書は「トップアーティスト」。そんな人、初めて出会った。経歴をみると、世界的に有名なコンテストで全国優勝した経験があり、国内外のセミナー講師も担当するなど、実に華々しい。

 「私も切ってもらったんです」。店員の女性は笑顔を浮かべる。毛先を軽く遊ばせたショートカットが、よく似合っている。後輩も切ってもらったといい、短く刈り込んだ頭がなかなか決まっている。料金は指名料込みで8000円。ちょっとお高い気もするが、これで長年の悩みが解消されるならば安いものだ。予約を入れて、Kさんに切ってもらうことにした。

 美容室の椅子に座って、まず聞かれるのが「目指すイメージ」だ。少しまごつきながら「すっきりした感じで…」と答えると、Kさんは大きくうなずいた。店は暖かく、頭皮に施してくれるマッサージが心地よい。つい、うとうとと眠ってしまった。

 「お疲れさまです」。目を開けると、いつの間にかカットは終わっていた。たしかに、髪は肩より上の長さに切り添えられ、すっきりしたような気がする。ただ、前髪が目にかかるのが少し気になる。前髪をもう少し切ってもらった。

 さあ、これでどうだろうか。会社の先輩に会って恐る恐る反応を見る。先輩はじっと私の頭を見つめ、少し間を置いて一言。「市松人形みたいだね」。…やっぱり。ただ、「でも、かわいいよ」とも。こちらは今までになかったことだ。先輩が私を気づかったのだろうか。それとも、トップアーティストの神業のおかげなのだろうか。真意を確かめるのは、少し怖い。(江)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。11月のお題は「神」です。