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【ドクター和のニッポン臨終図巻】「病院で死にたくない」生き方と逝き方を貫いた 女優・木内みどりさん (1/2ページ)

 『巻子の言霊』という作品を知っていますか?

 理不尽な交通事故に遭い寝たきりになった松尾巻子さんと夫の幸郎さんの物語を、ノンフィクション作家の柳原三佳さんが紡いだ一冊です。全身麻痺となった巻子さんが唯一動かせたのは、瞼と眼球。それでも幸郎さんは、妻との会話を諦めませんでした。

 巻子さんが瞼を二度閉じたときは、「はい」。一度のときは、「いいえ」。その後、会話補助装置の文字を一つ一つ追うことで、巻子さんとの会話を深めます。しかし、最初に巻子さんが瞬きで伝えた一文は、「こ・ろ・し・て・く・だ・さ・い」だったのです。

 交通事故の悲劇とともに延命治療の現実を問いかけた本作は、その後NHKでドラマ化されました。

 このドラマで巻子役を演じたのが女優の木内みどりさんでした。

 11月18日、69歳で逝去。死因は心臓突然死との発表です。

 先週のこの連載、俳優の滝口幸広さんのときも触れましたが、突然死とは瞬間的な死、あるいは急性の症状が現れてから24時間以内の自然死のことをいいます。

 木内さんは、死の直前までお元気でした。朗読の仕事のため広島を訪れていた最中の死でした。

 夫の水野誠一氏のフェイスブックによれば、懇親会で飲み語り合い、散歩をしながらホテルに戻ったそうです。その数時間後に、部屋で亡くなったとのこと。

 心臓突然死とは、急性心筋梗塞や致死性不整脈などが起きて心停止、そして脳に血液が循環せずに死に至ることです。発症後1時間以内に亡くなる人が多いようです。

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