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【BOOK】面白がる気持ちを突き詰めれば、ささいな出来事もエッセーに ハライチ・岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』 (1/3ページ)

 お笑いコンビ「ハライチ」の、知名度の低い“じゃない方芸人”を自認する。何も起きないと思っている日々。だが、独特な視点を持てば日常を楽しめる、人は生きているだけでいいのだと気がついた。(文・高山和久 写真・桐山弘太)

 --タイトル(『僕の人生には事件が起きない』)からして面白い

 「テレビの世界は華やかだと見られがちだし、インスタグラムやツイッターでもそういうアピールが多い。でも、世の中は、蓋を開けてみればたいしたことではない出来事にあふれ、テレビでは誇張された話をだれかがしゃべっている。で、それに気がついた人もたくさんいるんですよ。僕もテレビに出ている芸能人だけれど、地味に生きてる方だと思っています。山あり谷ありの大きな出来事はないものの、それでも面白くないワケじゃないという意味をタイトルに秘めました」

 --“地味な日常”を文章にした

 「文章と言えば、中学の頃は女の子がたくさん出てきて、男の子がモテるといったハーレム系のライトノベルにハマっていた。お笑いのネタも書いてきました。でもエッセーは情景を文章だけで伝えなければならないので難しい。あいまいなニュアンス頼りにしないように気を使いましたね。ラジオでは表現を多用して『店員がこんな感じ』とか『この空気わかる』などと言えばイメージは伝わりますが、文章はそうはいきません。流れは漫才をするリズムを参考に、読む人がふんわりとながら思っていることをできるだけ言語化することに力を注ぎました。だれしもエピソードはたくさん持っていますからね」

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