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【BOOK】“無風”ニッポンに喝! 韓国は「放っておいていい」、中国は「利用した方がいい」 野党の崩壊・分裂が招いた「安倍1強」 大前研一さん『「国家の衰退」からいかに脱するか』 (1/2ページ)

 「安倍1強時代」と言われて久しい。自民党内に強力なライバルは見当たらず、野党は自分からコケて分裂してゆく。給料は上がらず、消費税は上がっても国民は文句も言わない…。ホントにこれで日本人は幸せなのか? アドバイザーのレジェンドが“無風・ニッポン”に「レッドカード」を突きつける。(文・梓勇生 写真・酒巻俊介)

 --安倍晋三政権は11月20日で歴代最長政権となった。だけど評価は“激辛”ですね

 「安倍政権は、国民の目先を変えるテーマを掲げるのはうまいが、実際には何の成果も挙げていません。この30年間、日本経済は低成長を続け、繁栄から見放されている。人口減少、高齢化社会が進み、国家の構造を変えるような抜本的な改革をしなければいけないのに、昔ながらの中央集権で、地方に予算を配分するやり方を続け、目先の標語を変えているだけ。国と地方の長期債務の残高は1100兆円を超え、将来世代にツケを回している。それで景気は一向に良くならない。他の国なら暴動が起きてもおかしくありませんよ」

 --それでも「1強」が続く理由は何か

 「こうした状況にもかかわらず、自民党内には昔のような派閥がなくなり、政策論争を挑むようなライバルは見当たらない。評論家のようなコメントをしながら禅譲してくれるのを待っている人ばかり。野党はもっとだらしない。『官から民』を掲げた民主党も、いざ政権を獲ってやったことは正反対。外交も経済もダメ、官僚も使いこなせない。揚げ句、勝手に崩壊・分裂してしまった。“敵失”による『安倍1強』が続いているのです」

 --野党が明確な対抗軸を打ち出せない背景には労組との関係がある

 「自民党政権はずっと『大きな政府』でやってきた。ならば野党は(政府の権限・予算を縮小する)『小さな政府』を打ち出せばいい。民主党が躍進した選挙では、各都道府県庁がある1区で圧勝しました。従来の予算配分型ではなく、都市型無党派層の支持を得たからです。ところが、小さな政府で、役人を減らそうと思えば支持母体の労組(官公労など)の抵抗にあってできない。本気で野党が再生を目指すなら都市型無党派層を対象に生活者側に立って、組織率が減っている労組との関係はもう切るべきでしょう」

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