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【松浦達也 肉道場入門!】個人的なおすすめは断然うどん! 富士そばでシンガポール風「肉骨茶」

★絶品必食編

 首都圏に展開する大衆そばチェーン「富士そば」は、ときどき不思議なメニューを出すことがある。その昔はモーニングでトーストを出していた店もあったし、新宿では限定でプリンを出す店もあった。

 数年前には「ハラル対応メニューを開発していた(そういえば、あれはどうなったのだろう)。

 そんな意欲的な大衆そばチェーンが手掛けた「肉骨茶(バクテー)そば」が話題となっている。

 肉骨茶とはマレーシアやシンガポールで愛されるスープ料理のこと。そもそもは中国からマレー半島に移住した労働者が豚を解体した後に残る肉のついた骨を漢方で煮込んだのが端緒だと言われる。

 今回富士そばがメニュー化したのはシンガポール風。

 本来のシンガポール風肉骨茶は、漢方由来のスパイスを効かせるが、今回はパンチを効かせることに専念したのか、ひたすら胡椒と揚げニンニクの刺激で押してくる。

 メニュー名は「肉骨茶そば」だが、個人的なおすすめは断然うどんである。

 近年の富士そばは、そばに生麺を使うなど、そばとしての完成度が向上している。

 しゃっきりした食感や、蕎麦ならではののど越しは、本格感が向上している。だが、この強力なスープや具であれば麺が太く、やさしい味わいのもっちりしたうどんの包容力が必要に違いない。

 そう考えて、そばを平らげた後、うどんを注文したところ…。これが実に合う!

 しかもうどんの麺自体も劇的に旨くなっている。富士そばで久しぶりにうどんを注文した僕も仰天した。

 塩を土台とした肉骨茶スープとの相性は事前に想像した通りだったが、程よい弾力ともちもちとしたコシのうどんとの食感バランスが想像を越えてきたのだ。

 まずは12月中、10万食限定で全店展開中だが、年内に10万食に届かなければ年明けに店舗限定で、再開する可能性もあるという。

 ともあれ肉好きの方にはまずうどんから試されることを胸を張っておすすめしたい。そう、ドーンとね(うどんだけに)。

 ■松浦達也(まつうら・たつや) 編集者/ライター。レシピから外食まで肉事情に詳しく、専門誌での執筆やテレビなどで活躍。「東京最高のレストラン」(ぴあ刊)審査員。

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