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【ここまで進んだ最新治療】不妊症治療 子宮内膜の再生促し「着床不全」改善へ (1/2ページ)

 不妊治療において体外受精や顕微授精などの「生殖補助医療(ART)」の進歩で、95%以上は受精卵(胚)をつくることができる。しかし、ARTによる妊娠率は年齢によって違うが、全体で30%前後でしかない。その大きな原因のひとつが「着床不全」だ。

 女性は排卵すると黄体ホルモンが分泌され、その知らせで子宮内膜が厚くなり、血液のベッドが敷かれた状態で受精卵を待つ。この間に受精が行われて受精卵が子宮内膜にたどり着いて定着すると“着床”となり、妊娠が成立する。受精がなければ血液のベッドははがれ落ち、月経血として排出される。

 着床不全は、受精卵の質が悪かったり、子宮内膜に問題があったりして着床しにくい状態。これまで血流改善療法やホルモン補充療法などが行われてきたが、あまり効果的ではない。そこで「子宮内膜再生増殖法(ERP)」という新しい治療法が臨床研究として行われている。

 研究を進めている「はらメディカルクリニック」(東京渋谷区)の原利夫院長はこう説明する。

 「着床不全は、加齢による子宮内膜の老化が最も大きな原因です。しかし、これまでの治療法は子宮内膜に直接作用するものではありませんでした。ERPは患者さん自身の月経血に含まれる幹細胞を抽出し、培養する過程でできる上清液(上澄み液)を子宮内に注入します。上清液にはサイトカインや成長因子など数多くの有効成分が含まれるので、それが直接作用して子宮内膜の再生が促されるのです」

 対象は、ARTを行っても何度も失敗している人、子宮内膜が厚くならない人などで、年齢的には35歳以降になる。

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