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【続々・長生きは本当に幸せか】日本でも始まった「がんゲノム医療」は夢の治療法なのか? (1/2ページ)

 終末期の「延命治療」(胃ろう、人工呼吸、人工透析など)は、人間の尊厳を損なうものです。終末期にはすみやかに「緩和治療」に移行し、最期のときを有意義に生きるべきだとお伝えしてきました。

 しかし、がんの場合、終末期に至る前に、まだ回復できる医療法が急速に発展してきました。「がんゲノム医療」です。アメリカが圧倒的に進んでいますが、日本も今年の6月から、ゲノム医療につながる検査「がん遺伝子パネルシークエンス」が保険適用に。全国11施設のがんゲノム医療中核拠点病院および156施設のがんゲノム医療連携病院で受けられるようになりました。

 ゲノム医療は、個人個人の遺伝子情報を調べることで、その人に最適な医療を施せるため「夢のオーダーメード医療」と呼ばれています。

 ゲノムとは、「遺伝情報の全体・総体」を意味するドイツ語で、「次世代シークエンサー」という検出機が開発され、治療対象になる多数の遺伝子変異を短時間で検出することが可能になりました。パネルシークエンスでは、患者のがん組織や血液からDNAなどを抽出し遺伝子の変異を解析します。

 この検査の対象となる遺伝子のセットのことを「パネル」と呼んでいて、現在、100~300ほどの遺伝子が選ばれています。がん細胞内のどの遺伝子が変異しているか分かれば、現在、開発されているさまざまな「分子標的薬」によりピンポイントで叩くことができます。

 分子標的薬は、これまでの抗がん剤と異なり、正常細胞を殺さず副作用はほとんどないのです。

 このがんゲノム医療は誰でも受けられるわけではありません。保険適用の対象となるのは手術や抗がん剤、放射線といった「標準治療」で効果が期待できなくなった患者に限定されます。

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