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【続々・長生きは本当に幸せか】75歳からの「がん検診」に意味はあるか? (1/2ページ)

 「がん、血液1滴から検出 東芝が検査装置開発 精度99%」というニュースが先月、伝えられました。がん細胞が血液中に放出する核酸分子(マイクロRNA)の濃度を検出し、がん患者と健常者を99%の精度で識別できるというのです。しかも、大腸がん、胃がん、肺がんなど日本人がかかることの多い13種類のがんを検出可能とのことでした。

 実証実験は来年からで、実用化にはまだ数年を要するようです。

 そこで、私たちは、がん検診を受けているわけですが、少なからず無駄な検診があります。また、後期高齢者(75歳以上)の検診に意味がないという意見もあります。

 現在、国立がん研究センターなどが「科学的根拠がある」と推奨しているのは胃、大腸、肺、乳房、子宮頸部の5つのがん検診だけです。また、その方法も、次のように限定されています。

 大腸がん(便潜血検査)▽肺がん(胸部X線検査)▽子宮頸がん(細胞診)▽乳がん(乳房X線検査=マンモグラフィ)▽胃がん(胃X線検査・内視鏡検査)。

 ところが、自治体の多くが、推奨外の科学的根拠が薄いがん検診に予算をさき、住民サービスとして実施しています。

 たとえば、前立腺がんの「PSA検査」は、ほとんどの自治体が実施していますが、アメリカでは「無駄」とほぼ行われていません。前立腺がんは進行がゆるやかで、大半は死亡原因にならず治療の必要はないからです。私自身、診断されましたが放置しています。

 見つかると手術などをせざるをえなくなりますが、高齢者の場合、これが逆効果で、かえって不健康になる可能性があるのです。神奈川県鎌倉市は2017年度から検査の実施を開始しましたが、東京都八王子市はすでに取りやめています。

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