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【BOOK】8年ぶりの新作は「シリーズの角を曲がったというか、先に踏み出した感覚」 大沢在昌さん『新宿鮫XI 暗約領域』 (1/3ページ)

★大沢在昌さん『新宿鮫XI 暗約(あんやく)領域』(光文社・1800円+税)

 本を読まない最近の若者でも、このシリーズだけは読むという人も。「新宿鮫」。8年ぶりの新作は、約30年に及ぶシリーズの画期をなすかもしれない。永遠の一匹狼・鮫島の上司が交代し、新米刑事とコンビを組まされたのだから。(文・梓勇生 写真・酒巻俊介)

 --8年間、待ちわびたという読者も多い

 「他の仕事もしなくちゃいけないし、書きたいことがなくなったわけでもないんですよ。ただ、『新宿鮫』は重いというか、1作書き終えると、くたびれてしまい、しばらくは次を書く気がなくなる。その解放感が強くて『当分いいや』って気持ちになるんです。つまり、リハビリ期間が必要。そして、『そろそろ書かなきゃ』と気持ちが固まるのに、また2年くらい。年齢とともに、この間隔が長くなってきた気はします」

 --前作(『絆回廊』)で重要な登場人物が2人(上司の桃井課長と恋人の晶=しょう)消えた。

 「『鮫島くん』にはとことんさびしさを味わってもらおうかなと(苦笑)。(恋人の)晶については読者にも賛否両論あった。小説が甘くなってしまう、という意見もありましたから。まぁどんどん本筋から離れてしまったことは確かで、この際、ステージから降りてもらおうかって」

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