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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】胃の切除手術後、ダンピング症候群に注意! 食事を小分けするなど対策を

 今年の8月に胃がんのために胃の全摘手術を受けた夫婦デュオ「チェリッシュ」の松崎悦子さんが、12月11日に練馬で開かれたコンサートで、約4カ月ぶりに歌手活動に復帰し、「てんとう虫のサンバ」などを元気に熱唱しました。

 胃がんは肺がん、大腸がんに次いで死亡数の多いがんです。男性の患者さんが女性より2倍ほど多い病気です。5年生存率をみるとI期の早期がんなら97%ですしII期でも65%ですから、多くの患者さんが社会復帰しています。

 それでも胃の切除術を受けた患者さんの25~50%が「ダンピング症候群」と呼ばれる症状に悩まされています。胃を切除すると食べ物が胃にためられないために起きるのですが、日常生活に支障が起きる患者さんは10%ほどのようです。

 ダンプカーが積み荷を一気に落とすことに由来するダンピング症候群には、食後30分くらいで起きる「早期ダンピング症候群」と食後3時間ほどで起きる「後期ダンピング症候群」があります。

 早期ダンピング症候群の症状は腹痛や下痢といった腹部症状だけでなく、動悸(どうき)、冷や汗、血圧低下などの全身症状が起きます。腹部症状は食べ物が急速に小腸に入るために起き、全身症状は血液が小腸に集中して全身の血液量が減少するために起きます。

 後期ダンピング症候群の症状は脱力感、倦怠(けんたい)感、眠気です。症状が進むと冷や汗やめまいがしてきます。食べ物が急速に小腸に入ると糖分が吸収されて血糖値が上昇するので、一気にインスリンが分泌され低血糖になるのです。そのため後期ダンピング症候群の患者さんは糖分を摂ることで治ります。

 ダンピング症候群を抑えるためには、一度に食べる食事の量を少なくするといいでしょう。そのためには1日の食事を5、6回に小分けにしてとることをお勧めします。食事のとり方に注意すれば、ほとんどの患者さんが半年くらいで症状が起きなくなります。

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