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【MCIリバーター 軽度認知障害回復奮闘記】デイケアとは別に月1で腕を磨き…永六輔さんのラジオ番組でプサルテリー生演奏 (1/2ページ)

 デイケアの音楽療法で、ある日、面白い弦楽器を持たされた。細長い二等辺三角形の楽器にピアノ線の弦が48本張ってある。プサルテリーという楽器だった。フランスの古楽器で、膝にのせバイオリンのように弓を使って弾く。中国の胡弓(こきゅう)に似た、フニューとうねるような幻想的な美しい音が出た。しかも、弦のところに「ファ」「ラ」「ソ」と音階がふってある。気に入った。

 音楽指導の折山もと子さんは、「きれいな音でしょ。私は寂しくなると、いつも何かしら楽器を鳴らします。癒やされます。身近に音楽があると心豊かになりますよ」

 プサルテリーに触って音を出すうちに自分のものにしたくなってきた。新品だと特別注文をして作ってもらうのでやや高い。弦を張る胴体の木製部分が総ヒノキ(42弦)だと6万5000円。ヒノキと合板(32弦)だと3万円。サイズは約60センチ。ケースに入れて楽に持ち運べる。

 しかし、自宅で弾いたらどうなるだろう。大変な騒ぎになると思う。救急車やパトカーのサイレンが聞こえても怒りだすチャイ(愛犬)は怪しげな音だとほえまくり、下手な演奏に妻は顔をしかめるだろう…。成り行きにまかせるほかない、と腹をくくった。

 教室備え付けのプサルテリーを借りて持ち帰った日。試しに高い音を出してみた。チャイはワンといったが、騒ぎ立てることはなかった。案外、彼は僕の音楽の才能を認めてくれたのかもしれない。

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