記事詳細

【BOOK】大阪・京橋に実在したキャバレーを舞台に 都会だからこそ成り立つ優しさを書きたくて 高殿円さん『グランドシャトー』 (1/3ページ)

 ♪京橋はええとこだっせ…。年配の大阪人はみんな知ってるあのCM。大阪・京橋のレジャービル「グランシャトー」に実在したキャバレーがこの小説のモデルだ。一人のホステスの30年を描き出したヒューマンドラマには、人と街への愛情が溢れている。(文・阿蘇望)  

 --関西を舞台に書こうと思ったのは

 「今年で作家になって20周年なんですけど、ライトノベルでデビューして、無我夢中で10年ぐらい書いて、一方で子供を育てて地元密着になっていって、いろいろ考えるわけです。実は文芸一作目の『トッカン 特別国税徴収官』を書いたときに、版元さんから書店さんが多いのはやっぱり東京だから、東京を舞台にしてくれって言われたんですよ。でも伊坂幸太郎さんとか読むと、別に仙台でもええんやんかって話でしょ(笑)。それで『上流階級 富久丸百貨店外商部』で神戸を書かせてもらって、次はぜひ大阪で書きたいなと思っていました」

 ■キャバレーを舞台に

 --その中でもなぜキャバレーを

 「もともとライザ・ミネリの映画『キャバレー』とか好きで。調べてみたら、日本のキャバレーって大阪が発祥なんですね。でも、グランシャトーのナイトクラブ香蘭っていう有名店が2015年2月に閉店した。これは生き証人がいるうちに書いとかないとと思って、あわてて調べ始めました。ところが研究者もいないし、ほんとに資料がないんです。歓楽街の話だから微妙なところもあって残っていない」

関連ニュース