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がん患う医師・大橋洋平さんが「真の緩和ケア」 「患者になって初めて医者の言葉は絶大だと分かった」 (1/2ページ)

 がん患者の苦痛を和らげる「緩和ケア」の現場で、自身もがんを患う三重県木曽岬町の医師、大橋洋平さん(56)が奮闘している。「がんを経験した自分だからこそ、患者の声に丁寧に耳を傾けたい」。がんは手術で切除後、肝臓に転移しているが、抗がん剤治療を受けながら患者に寄り添う。

 「調子はどうですか」。愛知県弥富市にあるJA愛知厚生連海南病院の緩和ケア病棟の一室で、大橋さんが膵臓がんの60代男性に声を掛けた。「良いですよ。先生はどうですか」と返されると「おかげさまで、やれています」と笑顔。お互いの病状や目標について話した後、「一緒に生きていきましょう」と固い握手を交わした。

 2018年6月。突然の下血で目覚め海南病院に駆け込むと、胃の入り口付近に約10センチの悪性腫瘍が見つかった。10万人に1人の発症とされる希少がん「消化管間質腫瘍(ジスト)」だった。

 抗がん剤の副作用で食事量は激減し、体重は半年で約40キロ減った。だが「妻と息子のために少しでも収入を得たい」と、術後4カ月で復帰した。

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