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【BOOK】何年かに一度はコメディーを 資料を集めるのは必ず自分で 浅田次郎さん『大名倒産』 (1/2ページ)

★浅田次郎『大名倒産』(文芸春秋(上)(下)各1600円+税)

 大名が倒産する? 前代未聞のたくらみを先代藩主に背負わされた若殿様。その姿はまるで、親世代の「負の遺産」に苦しむ現代のロスジェネ世代のごとし。泣き・笑いてんこ盛りの「浅田ワールド」全開!(文・南勇樹 写真・三尾郁恵)

■どんなふうにも料理できる題材

 --題名(「大名倒産」)はインパクトがある

 「実はずっと前から、あたためていたタイトル。書きたいな、と思いつつ、そのままになっていたんですよ。江戸時代も260年たつと、どんな大名も藩財政は火の車になっている。だけど『倒産』はできない。どんなふうにも料理できる題材だと思いました」

 --借金に苦しむ現代社会の「自己破産」をほうふつさせます

 「そうですね。ただし、大名はカッコつけなきゃいけないんで、(庶子の)せがれに腹を切らせて責任を取らせる…。(先代藩主の企ては)落としどころとしては結構、名案かなって。これぞ『完全犯罪』」

 --ところが、若殿様は倒産させまいと頑張る。ひたむきな姿がいい

 「若者が頑張っている姿には魅力を感じます。自分が若いころに頑張らなかったからねぇ。なんで徹夜マージャンなんかに時間を費やしちゃったのかなぁって(苦笑)。僕もこうありたかったという悔悟の念。頑張っていると必ず人は寄ってくるし、助けてくれるんです。神様までがね」

 --お殿様を主人公にした小説は案外少ないもの

 「それは“刷り込まれた類型的なイメージ”があるからですよ。何でも『よきにはからえ』みたいな…。時代劇でも、お殿様俳優やお姫様俳優は、容姿だけがよくて芝居ができない大根役者の代名詞でしょ。実際はそんなことない。お殿様だって、いろんなことを考えたり、苦しんだりしたはず。つまり(お殿様は)いくらでも可能性がある素材で、これからも書きたいですね」

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