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【ここまで進んだ最新治療】「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」の予防切除が保険適用に カウンセリング受けてから遺伝子検査 (1/2ページ)

 親から受け継いだ遺伝要因で、乳がんや卵巣がんの発症リスクが高くなる「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」。米女優アンジェリーナ・ジョリーさんが、発症前に両乳房と卵管・卵巣の「予防切除(リスク低減手術)」をしたことを公表し、話題になった。

 日本ではHBOCの予防切除は自由診療で行われてきたが、今年4月から一部の患者を対象に保険適用になる見通しだ。国内で年間約9万人発症している乳がんの3~5%、年間約1万人発症している卵巣がんの約10%がHBOCとされる。どれくらいリスクが高いのか。がん研有明病院・臨床遺伝医療部の中島健部長が説明する。

 「HBOCは、傷ついた遺伝子を修復する働きをもつ『BRCA1遺伝子』あるいは『BRCA2遺伝子』に変異がある遺伝性のがんです。生涯の発症リスクは、乳がんで41~90%(一般の人9%)、卵巣がんは8~62%(一般の人1%)とされています。その遺伝子変異は親から子供に、性別に関係なく50%の確率で受け継がれます」

 また、乳がんでは「若年で発症」「ホルモン療法や分子標的薬が効かない(トリプルネガティブ)」「両方の乳房に発症」「片方の乳房に複数回発症」「乳がんと卵巣がんの両方を発症」などの傾向がみられる。

 男性の場合でも、1・2~6・8%の確率で乳がんを発症する可能性があり、前立腺がんや膵臓がんの発症リスクも高くなる。

 「HBOCかどうか調べるには『遺伝子検査』が必要です。ただし、検査結果で得られる情報のメリットとデメリットを患者さんに十分理解してもらわなければいけません。そのため『遺伝カウンセリング』を受けてもらい、納得してもらった上で遺伝子検査を実施します。検査は採血で、結果が出るのは1~6週間後です。その結果によって予防切除をするかどうか、主治医と検討することになります」

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