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【ここまで進んだ最新治療】保険適用で症例増期待! 光線力学診断用いた「膀胱がん内視鏡手術」 (1/2ページ)

 膀胱(ぼうこう)がんは、膀胱の内側(尿路上皮)に発生する。がんが粘膜(Ta)、粘膜下層(T1)、筋層(T2)の、どこまで深く達しているかで治療法が異なる。

 通常、粘膜下層までであれば、尿道から内視鏡(膀胱鏡)を挿入してがんを切除する「TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)」で膀胱を温存したまま治療することができる。

 しかし、TURBTの術後の再発率は「5年以内に30~80%」と高い。それには、従来の白色光による膀胱鏡では観察困難な小さながんや平坦ながんの取り残しが関与しているとされる。そこで2017年12月に膀胱がんに対して保険適用になった「光線力学診断(PDD)」を用いた内視鏡手術が普及しつつある。

 PDDとは、どんな診断技術なのか。横浜市立市民病院・泌尿器科の太田純一科長が説明する。

 「PDDを行う場合、『アミノレブリン酸』という顆粒の薬剤を水に溶かして服用します。そして約3時間後に、青い光を放つ蛍光内視鏡で膀胱内を観察すると、がん細胞のある部分だけが赤く発光するのです。TURBTにPDDを併用することで、手術時の取り残しが減らせる可能性が期待できるのです」

 アミノレブリン酸は生物の体内に存在する天然アミノ酸で、正常細胞内では「プロトポルフィリンXI(PPXI)」という物質を経て、最終的に「ヘム」に変換される。がん細胞ではPPXIが生成されやすい一方で、ヘムにはなりにくい。そのためがん細胞にはPPXIが多く蓄積する。そしてPPXIには青い光を当てると、赤く発光するという性質があるのだ。

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