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【BOOK】肩肘張らず、今後もオタオタあわあわ 方言を文字にすると、どう書けるかを模索 芥川賞受賞・古川真人さん『背高泡立草』 (1/3ページ)

★芥川賞受賞・古川真人さん 『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』(集英社1400円+税)

 新潮新人賞受賞のデビュー作がいきなり芥川賞候補となり、以来、今回で4度目となる候補作で栄冠を射止めた。受賞会見では「あわあわしてます」と飾らない人柄をのぞかせたが、実は栴檀(せんだん)は双葉より芳しを地でいく、見事なホップステップジャンプだった。(文・竹縄昌 写真・高橋朋彦)

 --選考会(1月15日)直後からどう過ごしましたか

 「数日後にようやく家で仕事ができるようになりましたが、メールもすごくて、返しても返しても確認とか依頼が来たり。エッセイの依頼も新聞と文芸誌を入れると受けられたのは6社ぐらい。ネタもカスカスになってしまいそうで、なるべく違うのを書かなければいけないと思っています」

 ■綿矢りささんに衝撃

 --芥川賞にはどんなイメージを

 「本を読み始めた頃は、本屋さんで芥川賞を特集した号が出ていることはなんとなく知っていましたが、全然自分の人生とは関係ないと思っていました。でも、芥川賞にはいろんな人が関わっていると思ったのは、綿矢りささんと金原ひとみさんが芥川賞を受賞(第130回)されたときでした。いつもは、小説を取り上げたりしない地元(福岡市)のワイドショーや生活密着型の番組でも取り上げたりしていたんです」

 「綿矢さんは19歳でしたが、僕は15歳。同じ10代の人が賞を取られたことも、それまで遠いものだった小説を同世代が書いているんだ、と思いましたし、芥川賞も意識しました」

 --小説に関心が向いたのはいつ頃から

 「小・中学生のころはゲームに熱中していて、中3から高校にかけて漫画やゲームから興味が薄れていって、それと交代するように一人の時間の潰し方として読書に行ったという感じでした。三島由紀夫の『作家論』に出合ったのもこの頃です」

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