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【「心の老い」は克服できるか】介護の現場で頻発する「困難事例」 患者も家族も怒りっぽくなり… (1/2ページ)

 現在65歳以上の高齢者の認知症患者数は462万人と推定され、高齢者の約7人に1人が認知症に。“心の老い”にどう対処すればいいのか。医師でジャーナリストの富家孝氏が、精神科医の吉竹弘行氏に聞く。

 --吉竹さんは、認知症や老人性うつなど精神科の治療現場で長年、格闘していますが、最近、とくに感じることは?

 「患者さんもご家族も、本当に怒りっぽくなりました。認知症が進むと感情を抑制して冷静な思考や行動を担う大脳の前頭葉が萎縮することが多く、本人の意思や性格に関係なく、恐怖や不安、怒りで興奮し、ときには暴力を振るうようになります。しかし、ご家族の方もそうだと閉口してしまいます」

 --いわゆるモンスターファミリー?

 「介護現場では困難事例と呼んでいて、トラブルが頻発しています。私は、訪問診療も行っていますが、『父親が酒を飲んで暴れているので来てくれ』と電話があり、行ってみると『遅いじゃないか』といきなり怒鳴られたことがあります。部屋の中は散らかり放題で、当人は私にテレビのリモコンを投げつけ、『オレはなんともない。医者は必要ない』と言い張るのです。当初はおとなしく、クスリも服用し、お酒も抑制していたが、次第に毎日飲むようになり、入浴もしなくなり、何かあるとわめき散らすというのです。明らかに、認知症による人格変化です。『先生、クスリなんかまったく効かないじゃないか。あんたヤブだろ』と、息子も私に怒鳴りました」

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