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【「心の老い」は克服できるか】老人性うつと認知症 違いは「精神疾患」か「精神の老化」 (1/2ページ)

 認知症患者の増加とともに、「老人性うつ」の患者数も増えている。現在、約28万人。潜在的には50万人以上とも。認知症とどう違うのか? 医師でジャーナリストの富家孝氏が、精神科医の吉竹弘行氏に聞く。

 --最近、老人性うつの話をよく耳にします。いわゆる認知症とはどう違うのですか?

 「ひと言で言ってしまえば、老人性うつは精神疾患と言えるので、適切な治療を行えば、完治は難しいですが寛解はできます。認知症は、進行を遅らせることはできても治せません」

 --認知症は“心の老化”というわけですね

 「“心”と言うと語弊がありますが、体が老化するのと同じく精神も老化するわけで、認知症は、ヒトの脳の老化プロセスが極度に加速した状態と考えています。問題は、うつ病にかかっていると気がつかず、未治療のまま過ごしている方が多いことです。また、家族や周囲が気づいても、認知症と間違えるケースが多いことです」

 --具体的にどう違うのですか、認定は?

 「例えば仕事を退職して数年、趣味の旅行やスポーツを楽しんでいた70代前半の男性ですが、ある日を境に急に元気がなくなり、口数も少なく、食事もあまりとらなくなりました。内科を受診したが悪いところがない。本人も『何でもない』と。心配して奥さんが連れてこられました」

 --それで?

 「問診すると、徐々に話し出し、『なんでいつもボーッとしているのですか?』と聞くと、『昔、仕事で悪いことをしたことを思い出している』と言うのです。これは典型的な“罪業妄想”です。『外に出ると警察につかまる』とも」

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