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【BOOK】偏見、差別…現代の問題 準備された時代から見て 川越宗一さん『熱源』 (1/3ページ)

★2作目で直木賞・川越宗一さん 『熱源』(文藝春秋 1850円+税)

 川越宗一さんはデビューから2年足らずの新人作家。しかしその実力の評判に違わず2作目の長篇小説で直木賞受賞の栄冠を射止めた。受賞記者会見で「ドッキリじゃないか」と語った新直木賞作家に聞いた。(文・竹縄昌)  

 

 --贈呈式(2月20日)はどうでしたか

 「たくさんの人がいたので緊張しましたし、えらい大きな賞をいただいてしまったと、改めて身が引き締まる思いでした」

 --受賞決定(1月15日)からの日々は

 「エッセイの依頼を急にいただくことになって必死に書いていたんですけど、取材を受けたり、またすでに予定していた次作の取材で長崎に3、4日ほど行ったりで、結構バタバタでしたね」

 --(会社員と)二足のわらじの作家生活です

 「受賞を会社の方も喜んでくれて、割と休みは自由に取らせてもらっています。今のところは周囲のサポートをいただいています」

 --2作目での受賞です。ドッキリじゃないかとも

 「まず候補になった時点で信じられなかったし、受賞が決まってからもまだ信じられない。そこからエッセイ依頼や取材で日々流されるうちに実感が湧いてきた感じですね。すごい栄誉ですが、2作目で受賞したので、次作のハードルがめっちゃ上がったし、恐怖というか戦慄という感じの方が強いですね」

 --受賞作の登場人物は北海道旅行で知った人たちだと

 「ポーランド人とアイヌの人たちですね。最初は彼らの壮大な人生に圧倒されて心打たれました。でも、調べていくうちに同化政策があったり、19世紀後半から科学は世の中をよくすると無邪気に信じられていた時代でしたが、しかし半面、それが偏見を助長して、皮肉にも科学的ではない理不尽を生んでいきました」

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