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【BOOK】大航海時代、普通の大名がどう関わったのか…作家生活30周年の節目に書くのが合うと思った 安部龍太郎さん『海の十字架』 (1/3ページ)

 戦国時代を語るキーワードは「銀・鉄砲・キリスト教」の3つ。歴史小説の名手・安部龍太郎さんは本作でそれらを巡り、戦国武将による、大航海時代の世界を巻き込んだ武力・知力・財力のサバイバル戦を展開させた。だから、この時代の物語は面白い!(文・梓勇生 写真・酒巻俊介)

 ■テレビ出演も結構楽しい

 --NHKの今年の大河ドラマ「麒麟がくる」も戦国時代が舞台です

 「『麒麟がくる』関連の番組も含めて、いくつかの歴史番組に出演しましたよ。やっと、世の中が『アイツ(安部)を呼べ』ということになったかな(苦笑)。まぁテレビ出演も結構楽しいですよ」

 --本作(『海の十字架』)は作家生活30周年記念と銘打った

 「それは僕が戦国時代について、ずっと言い続けてきたことが関係しています。つまり、(戦国時代は)大航海時代の南蛮貿易で鉄砲や火薬原料が日本へ入ってきた大変革の時代でした。信長のようなトップの人ではなく、普通の大名がこの問題にどうかかわったのかを書くことが節目に合うと思ったのです」

 --16世紀に開発が進んだ石見(いわみ)銀山の存在が物語の大きなカギ

 「まさにシルバーラッシュ。ポルトガルや明の商人は銀がほしくて、日本へやってきた。その交易によって鉄砲や火薬の原料となる硝石、鉛などが入ってくる。それをうまくつかんだ戦国武将がのし上がってゆくのです。交渉役となったのが、ポルトガルを後ろ盾としたイエズス会の宣教師たちでした」

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