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【新書のきゅうしょ】今ではありえないハチャメチャぶり! ビートたけし&高田ギョロ目文夫著「しまいにゃ笑うぞ!」(スコラBOOKS、1983年) (1/2ページ)

 ビートたけしのオフィス北野からの「退所」(じゃなかったっけ?)以来のふるまいは、やれ新たな女性に洗脳されてるだの、金にせこくなりご祝儀も出さなくなっただのと批判される。

 ただ、40年来のたけしファンの筆者から見ると、長年築き上げた「大物芸人」という幻想と権威を本人自ら笑いとばすコントのオチのよう。

 歳を重ねるにつれ、彼は、尊敬と憧れの対象としか見られぬ立ち位置に追いこまれていった。本来たけしの真骨頂は、世間一般の予測と期待を、思いもよらぬ振り幅で裏切る点だったのに。その意味で、近年の彼の行動は、長年のファンの夢も冷める幻滅を味わわせてくれる激しい「振り幅」で、彼らしさ全開だ。

 たけしは再婚する際、「幸せになりたい」と話していたが、80年代の彼のギャグ本に『三国一の幸せ者』というのがあった。その流れの中の一冊が『しまいにゃ笑うぞ!』。オールナイトニッポンでタッグを組んだ放送作家の高田文夫と連載した男性誌スコラの記事をまとめた新書判だ。

 たけしは連載初回で「スコラなんて会社も知らねーし、危ねーなあ、と思ってたら、聞くと何とバックには、あのコーダン社がひかえてるっていうじゃねーか。(中略)オレは何たって大手にゃ弱いよ」と綴る。数年後その「大手」に軍団を引き連れて殴り込む「振り幅の広さ」を示そうとはこの時点では思いもよらない。

 「オレたちひょうきん族」が裏番組の「8時だヨ!全員集合」の視聴率を抜いた頃だから鼻息も荒い。セコい仕事とみるや、倒れてみせ、「オレのスケジュール表には、ちゃんと『病気』って入ってんだ」とうそぶく。

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